こんにちは!裁量トレーダーのまさです!
今日もFXの勉強をしていきましょう!
今回のテーマは『ダウ理論』です。
ダウ理論とは、チャールズ・ダウさんが提唱した株価の市場で値動きを評価するための6つの理論のことを言います。
僕はFXにおいて最も大切なことは資金管理だと考えておりますが、その次に大切なのはチャート分析とも考えております。
チャート分析をせずに、なんとなく上がりそうだから(下がりそうだから)といった安易な考えだけでエントリーするのはギャンブルと同じです。
FXを投資として行いたいのであれば、チャート分析をして、エントリーにきちんとした根拠を持たせなければなりません。
ですが、いきなり初心者の方に「では、チャート分析をしてください!」と言っても何をしていいのかわからないですよね。
そこで、皆さんに学んでほしいのが『ダウ理論』です。
ダウ理論はチャート分析の基本となる考え方であり、欧米のプロの投資家がトレードの基礎として最初にしっかりと学ぶくらい重要な理論です。
ダウ理論を学ぶことのメリットは次の通りです。
- 相場の値動きの本質がわかる
- 利益を狙うべきポイントがわかる
- 利益を伸ばしやすくなる
なので、
- チャートの見方がわからない
- チャートをどのように分析すればいいのかわからない
- チャートのどこでエントリーしたらいいのかわからない
という方は、ぜひこの記事を読んでください。
ダウ理論はFXで勝つために学ばなければならない必須知識です。
ということで、さっそく始めていきましょう。
ダウ理論とは
改めて、ダウ理論とは、チャールズ・ダウさんが提唱した株価の市場で値動きを評価するための6つの理論のことを言います。
ダウ理論を知らない人からすると
「チャールズ・ダウって誰やねん!」
って感じだと思いますので、まずはチャールズ・ダウさんについて説明しますね。
チャールズ・ダウさんは金融業界の超有名人
チャールズ・ダウさんはアメリカの有名な金融ジャーナリストで、
「金融業界でチャールズ・ダウさんの名前を知らない人はいない」
と言われるくらい金融業界では超有名人です。
チャールズ・ダウさんは
- 世界最大の経済新聞である『ウォールストリート・ジャーナル』の創刊者
- 株価指数「NYダウ」の生みの親
という、ものすごい功績の持ち主です。
そんなものすごい人が考えた相場の値動きに関する6つの法則が『ダウ理論』です。
ダウ理論はFXにも応用できる
ダウ理論はもともとは株価のために構築された理論です。
なので一見、FXとは関係ないと思われるかもしれません。
ですが、株価をレートに置き換えることでダウ理論はFXにも応用させることができます。
なので、世界中のトレーダーがダウ理論をもとにチャート分析を行っています。
ダウ理論を使ったチャート分析の優位性が高い理由
為替レートがどのように決まるか知っていますか?
実は、為替レートは”相場参加者の多数決”によって決められております。
どういうことかと言うと、
「ここは買い!」と言って”買い”でエントリーするトレーダーの数が、”売り”でエントリーするトレーダーの数よりも多くなれば為替レートは上昇します。
反対に、「いやいや、ここは売りでしょ!」と言って”売り”でエントリーするトレーダーの数が、”買い”でエントリーするトレーダーの数よりも多くなれば為替レートは下降します。
◆為替レートは相場参加者の多数決によって決まる◆
【為替レートが上昇する場合】:
”買い”でエントリーするトレーダー > ”売り”でエントリーするトレーダー
【為替レートが下降する場合】:
”買い”でエントリーするトレーダー < ”売り”でエントリーするトレーダー
そして、この”買い”と”売り”のバランスは常に変動します。
このように、為替レートの値動きには”相場参加者の心理”が強く影響しています。
この多数決の勝率を高めるためには、より多くのトレーダーと目線を合わせる必要があります。
ではどうすればより多くのトレーダーと目線を合わすことができるのかと言うと、
その答えが『ダウ理論』です。
つまり、多くのトレーダーが利用しているダウ理論をもとにチャート分析を行えば、多くのトレーダーと目線を合わせやすくなるということです。
これが、ダウ理論を使ったチャート分析の優位性が高い理由です。
ここまでは、ダウ理論の概要について説明してきました。
ここからはいよいよダウ理論の内容についての解説となります。
長くなりますが、頑張って最後までついてきてくださいね。
ダウ理論は6つの理論で構成されている
ダウ理論は次の6つの理論から構成されています。
- 価格(レート)は全ての情報を織り込む
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
それぞれの理論について解説していきます。
①価格(レート)は全ての情報を織り込む
この理論を一言で言うと、「相場を予測をするためには、チャート分析だけで十分」ということです。
どういうことか、順を追って説明していきますね。
為替レートの決定に影響を与える要因にはいろいろなものがあります。
為替レートの決定に影響を与える要因
「為替レートが相場参加者の多数決によって決まる」ということは先ほど説明した通りです。
念のため、先ほどのメモ書きをもう一回出しておきますね。
◆為替レートは相場参加者の多数決によって決まる◆
【為替レートが上昇する場合】:
”買い”でエントリーするトレーダー > ”売り”でエントリーするトレーダー
【為替レートが下降する場合】:
”買い”でエントリーするトレーダー < ”売り”でエントリーするトレーダー
そしてこの相場参加者の意思決定に影響を与える要因として、例えば次のようなものがあります。
- 各国の経済状況や金利状況
- 政府要人の発言
- 中央銀行の金融政策
これらの要因のことを『ファンダメンタルズ』と言います。
代表的なもので言えば、
- 毎月発表されるアメリカの雇用統計調査の発表
- FOMC(連邦公開市場委員会)による金融政策の発表
- アメリカの大統領選挙
などです。
これらの発表内容によっては、買いや売りのエントリーが一気に増え、為替レートが大きく動くことがあります。
トレーダーの中にはこの大きな動きを利用して利益を狙うという人もいます。
このようなファンダメンタルズの内容を予想することを「ファンダメンタルズ分析」と言います。
ちなみに、ファンダメンタルズ分析の反対は『テクニカル分析』で、チャートを分析することを言います。
ファンダメンタルズは全てチャートに反映されている
ファンダメンタルズは相場参加者の意思決定に影響を与え、その結果、為替レートへ影響を与えます。
これは、逆の見方をすれば、『チャートにはそれらの影響がすべて反映されている』ということでもあります。
なので、ダウ理論によれば「すべての出来事はチャートに反映されているのだから、相場の未来を予測するのにはチャート分析だけしていれば十分」ということになります。
ファンダメンタルズ分析は不要
要するに、ダウ理論によるとファンダメンタルズ分析はトレードには不要です。
もしもファンダメンタルズを取り入れるとすれば、テレビのニュースなどで自然と耳に入ってくる経済情報だけで十分です^^
【まとめ】①価格(レート)は全ての情報を織り込む
- 相場の予測をするには、チャート分析だけで十分
- ファンダメンタルズ分析は不要
②平均は相互に確認されなければならない
これはある通貨ペアでトレンドが発生した時に、相関性の高い通貨ペアでも同じようにトレンドが確認できれば、より根拠のあるトレンドだと判断できるということです。
これにより、そのトレンドの信頼性を判断できるようになるので、利益が乗っている状態であれば利益を伸ばしやすくなります。
相関性の高い通貨ペアとは
トレードする通貨ペアに米ドルが含まれている場合、他の米ドルが含まれる通貨ペアを見てみると同じようなチャートの動きをしていることがあります。
そのような通貨ペア同士を相関性の高い通貨ペアと言います。
例えば、ユーロドルとポンドドルの通貨ペアは相関が高い通貨ペアとして有名です。
なので、ユーロドルでトレードをしている場合、相関性の高いポンドドルのチャートを見ることでそのトレンドが信頼性を判断することができます。
相関性の高い通貨ペアの組合せは他にもたくさんあります。
このように、相関性の高い複数のチャートを見て目先の方向性の動きに確信を高めていくことが、ダウ理論の「平均は相互に確認されなければならない」の意味となります。
【まとめ】②平均は相互に確認されなければならない
- ある通貨ペアでトレンドが発生した時、相関性の高い他の通貨ペアでもトレンドが発生しているとそのトレンドの信頼性が高まる
③トレンドは出来高でも確認されなければならない
この理論はダウ理論の中で唯一トレードに活かすことが難しいものです。
この出来高というのは取引されている総量のことを言います。
これが多ければ多いほど値動きにも影響するという理論なのですが、残念ながらFXでは世界中の取引の出来高をリアルタイムで把握することはできません。
④トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
この理論を理解するためには、まずトレンドについて理解しておかなければなりません。
トレンドには
- 上昇トレンド
- 下降トレンド
の2種類があります。
それぞれの定義は次の通りです。
- 上昇トレンド:高値と安値の切り上り
- 下降トレンド:高値と安値の切り下がり
これらを図で示すとこうなります↓

左側が上昇トレンド、右側が下降トレンドになっています。
で、「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」についてですが、
上の図を見てもらうと、右側の上昇トレンドでは2回高値と安値の切り上りが続きました。
ですが、その後は高値と安値の切り上がりは続かずに、高値と安値は切り下がりました。
ここで、上昇トレンドの定義から外れてしまったため、上昇トレンドは終了となります。
このようなトレンドの定義から外れた時のことを転換シグナルと言います。
「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」とは、
要するに、トレンドが発生したら「転換シグナルが発生するまではトレンドフォローで攻め続けろ」ということです。
実際、トレンドが出ているときはその方向へチャートが動くことは非常に多いです。
目線を固定(トレンドフォロー)することによって無駄な損失トレードを減らすことができますし、その結果トータルで利益を残すことにつながります。
【まとめ】④トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
- 転換シグナルが発生するまでは目線を固定して攻め続ける
⑤トレンドには3種類ある
ダウ理論ではトレンドには次の3種類があるとしています。
- 主要トレンド:1年~数年のサイクル
- 二次トレンド:3週間~3か月のサイクル
- 小トレンド:3週間未満のサイクル
ここで言うサイクルとは、トレンドが発生してから終了するまでを1サイクルとしています。
これらをチャートの時間足で示すと
- 主要トレンド ⇒ 日足以上(長期足)
- 二次トレンド ⇒ 1時間足~日足(中期足)
- 小トレンド ⇒ 4時間足以下(短期足)
となります。
そして、これらのトレンドの関係性はこのようになります。
どういうことか図にして説明しますね。

例えば、日足以上の長期足で上の図のような上昇トレンドが発生しているとします。
このような長期足のトレンドを『主要トレンド』と言います。
それでは、次にこの図に中期足のチャートを書き足してみます。

赤色の線が中期足のチャートを示しております。
長期足が上昇トレンドの場合は、図で示した下降している部分が『二次トレンド』となります。
それでは次に、二次トレンド部分を拡大して、短期足のチャートを書き加えます。

青色の線が短期足のチャートを示しております。
二次トレンドは下降トレンドなので、上昇している部分が小トレンドとなります。
狙うべきは主要トレンド
3種類のトレンドを紹介しましたが、皆さんが考えているのは「結局どのトレンドを狙えばいいの?」ということですよね。
結論から言うと、狙うべきは『主要トレンド』です。
先ほどの図で示すと緑の丸の部分が絶好のエントリーポイントです。

二次トレンドや小トレンドは調整局面なので、長くは続かず、リスクが大きいです。
主要トレンドをフォローして、押し目買いや戻り売りを狙っていきましょう。
マルチタイムフレーム分析のスキルを身につけよう
このような複数の時間足のチャートを重ねる分析方法をマルチタイムフレーム分析と言います。
マルチタイムフレーム分析に不慣れな人はこの話は難しく感じたかもしれません。
チャート分析においてマルチタイムフレーム分析は必須スキルです。
マルチタイムフレーム分析ができれば、主要トレンドを見分けることができるようになり、主要トレンドの押し目買いや戻り売りができるようになります。
マルチタイムフレーム分析ができないという方は、理解できるまで繰り返し読んで、今のうちからマルチタイムフレーム分析に慣れておきましょう。
【まとめ】⑤トレンドには3種類ある
①トレンドには次の3種類がある
- 要トレンド:1年~数年のサイクル
- 二次トレンド:3週間~3か月のサイクル
- 小トレンド:3週間未満のサイクル
②狙うべきは主要トレンド
③マルチタイムフレーム分析スキルを身につけよう
⑥主要トレンドは3段階からなる
主要トレンドは日足以上のチャートのことを言います。
この理論は5分足や1時間足などには対応しませんのでご注意ください。
主要トレンドには下記の3つの段階があります。
- 先行期
- 追随期
- 利食い期
それぞれを図で示すとこのような感じです。

まず最初に先行期
先行期の特徴は相場に方向感がないことです。
多くのトレーダーは先行期のチャートを見てもエントリーしようとは考えません。
ですが、一部の嗅覚の優れたトレーダーは「ここが底値だ」と判断して、買いでエントリーします。
このようなトレーダーが徐々に増えていくことで相場は少しずつ上昇し始め、追随期へと移ります。
追随期でトレンドが発生
追随期はトレンドが発生しているため、先行期で様子を見ていたトレーダーたちが買いでエントリーしてきます。
先行期からポジションを仕込んでいたトレーダーもさらにポジションを増やします。
このように多くのトレーダーが買いを入れるので相場は一気に上昇します。
利食い期でトレンドの終了
ポジションを持っていたトレーダーたちの利食いのため決済注文が入り始めるのが利食い期です。
買いポジションの決済注文は売り注文となるので、相場を押し下げる力が働きます。
先行期で早い段階から買っていたトレーダーたち利益確定をすることで、上昇の圧力が弱まっていき、高値を更新することなく追随期が終了し利食い期に入ります。
利食い期では横ばいのもみ合いとなるか、下落していき、そのトレンドは終了となります。
そしてまた次の先行期が始まる
利食い期が終わるとまた、一部の嗅覚の優れたトレーダーによる買いあさりが始めり、次の先行期へと入っていきます。
注意すべきは、利食い期と先行期ははっきりと区別できるものではないということです。
利食い期の途中からいつの間にか先行期が始まっているというケースがほとんどですので、先行期を認識できるのはまさに神業と言えます。
なので、初心者が先行期から利益を狙おうとするのはほぼ不可能と考えてください。
追随期で利益を狙うべし!
先行期を認識するのはほぼ不可能なので、僕たち個人投資家が狙うべきは追随期となります。
相場の格言に「頭と尻尾はくれてやれ」と言うものがあります。
魚の体を相場に例えると、頭は先行期、胴体が追随期、尻尾が利食い期を指します。
追随期ははっきりとしたトレンドが出ているので、誰でも認識しやすく、一番伸びるポイントでもあるので、十分な利益を狙えます。
逆に、先行期や利食い期は方向感がありませんので負けやすいポイントです。
なので、まずは追随期(トレンド)を見つけることに注力し、追随期で利益を狙うようにしましょう。
【まとめ】⑥主要トレンドは3段階からなる
①主要トレンドには3つの段階がある
- 先行期
- 追随期
- 利食い期
②利益を狙うべきは「追随期」
- 先行期や利食い期で利益を狙うのは危険
- 追随期はリスクが低く、利益を伸ばしやすい
- 相場の格言:「頭と尻尾はくれてやれ」
まとめ
以上、ダウ理論について解説しました。
最後にこの記事のまとめです。
ダウ理論とはチャールズ・ダウさんが提唱した株価の市場で値動きを評価するための6つの理論です。
その6つの理論は下記の通りです。
- 価格(レート)は全ての情報を織り込む
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
今回の内容は、初心者の方にとってはかなり難しく感じたかもしれません。
ですが、繰り返し読むことできっと理解できるはずです。
読んで終わりではなく、実際のチャートでダウ理論が当てはまるかどうかを確認してみることでさらに理解は深まります。
僕も初心者の頃はダウ理論が理解できなかったので、ダウ理論に関する書籍を読んだり、チャート検証をたくさんしました。
するといつの間にか、頭の中に入っていて、ダウ理論を取り入れたトレードを行えるようになっていました。
なので、初心者の方でもきっとダウ理論を理解することはできるはずです!
そして、ご自身のトレードに取り入れることができるはずです!
ぶっちゃけダウ理論さえ覚えておけば他の分析はいらないくらい有益なものですので、必ず自分のものにするようにしてくださいね。
以上、皆さんの参考になればうれしいです。
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それでは~!
