こんにちは!FX裁量トレーダーのまさです。
今回はFXに関する税金の話です。
会社員の方が稼いだ給与に所得税という税金が課されるのと同じように、FXで稼いだ利益にも税金が課されます。
あなたがFXで稼ぐことができるようになったら必ず税金を納めなければなりません。
もしも、これを支払わなかった場合、延滞税の納付といったペナルティを課される恐れがあります。
「知らなかった」では済まされません!
また、この知識を知っていればFXで損失を出した場合に、翌年度以降に収める税金を少なくすることもできます。
「難しそ~」と思われるかもしれませんが、できる限り丁寧に解説しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
FXにかかる税金とは
FXにかかる税金の概要
FXでは、「為替差益」や「スワップポイント」といった利益を得ることができます。
これらの利益は、所得税方上で「雑所得」の「先物取引にかかる雑所得等」に分類されます。
そして、 「先物取引にかかる雑所得等」 は「申告分離課税」の対象となります。
FXで得られる「為替差益」や「スワップポイント」は雑所得に分類
世の中には給与や事業による収入といった様々な所得が存在しますが、所得税法ではそれらを次の10種の区分に分類します。
- 利子所得:国債、社債、預貯金などの利子
- 配当所得:株式の配当など
- 不動産所得:地代、家賃収入、権利金など
- 事業所得:会社経営の所得など
- 給与所得:お給料など
- 退職所得:退職金など
- 山林所得:山林を売った所得
- 譲渡所得:株式、土地を売った場合など
- 一時所得:保険の払戻金、各賞金など
- 雑所得:年金、FX、原稿料など上記以外のもの
FXで得られた「為替差益」や「スワップポイント」はこれらのなかで、⑩雑所得に分類されれます。
FXの場合は他の「雑所得」と扱いが異なり、雑所得以外の所得や他の雑所得とは切り離して税額が計算される「申告分離課税」の対象となるので、FXで利益が出た場合は、確定申告をして税金を納める必要があります。
それでは、次にどのように税額を計算するのか見ていきましょう。
FXで稼いだ利益ではなく「所得」に対して課税される
FXで利益が出た場合に、その全額に対して課税されるのかというとそうではありません。
FXで得られた利益から必要経費を差し引いた「所得」に対して税金が課されます。
「所得」の計算方法は次の通りです。
「必要経費」とは、次のようなものが該当します
- FXを学ぶための書籍代
- 通信費
- 有料のセミナー代
- 取引にかかった手数料 など
※ただし、申告にあたってはそれらの領収書が必要
このようにして計算した所得に対して次の税率をかけることで税額が計算されます。
FXの所得にかかる税率は20.315%
FXの所得にかかる税率は20.315%となっており、その内訳は次のようになっております。
「復興特別所得税」とは
東日本大震災からの復興の財源とすることを目的に、2013年1月1日〜2037年12月31日までの25年間にわたり、所得税額に対して2.1%の税金を課すというもの。
所得税15%×2.1%=復興特別所得税率0.315%
FXでは損益通算ができる
FXを始めると複数のFX業者を使って取引を行うことがあります。
そのような時に各社の損益を合算して税額を計算できるというのが「損益通算」という制度です。
例えば、A社で50万円の利益があり、B社では20万円の損失があったとします。
損益通算をすれば利益は30万円(50万円ー20万円)となり、そこから必要経費を引いた金額が「所得」となります。
もしも、損益通算をしなかった場合は50万円から必要経費を引いた金額が所得となってしまうため、税額が高くなってしまいます。
税金を払いすぎることのないよう、「損益通算」はきちんと行うようにしましょう。
それでは、次に納税の手続きについて見ていきましょう。
FXで利益を得た場合に必要な手続きとは
FXの所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要
通常、年収2,000万円以下の給与所得者であれば、勤務先が「年末調整」を行いますので確定申告をする必要はありません。
しかし、FXなどの給与以外所得が20万円を超えると確定申告をする必要があります。
そもそも「確定申告」とは
- 1年間(前年の1月1日〜12月31日)の所得から経費に該当する金額などを差し引いて納めるべき所得税額を求め、すでに源泉徴収で差し引かれている納税額との過不足を精算すること
- 確定申告の受付期間は、毎年2月16日〜3月15日まで(土日に該当する場合は異なる)
- この期間中に間に合わなかった場合は、期限後申告として取り扱われることになり、場合によっては納める税額に加えて無申告加算税が課されることがある
FXの税金の確定申告が不要な場合
FXで利益が出た場合は例外なく確定申告が必要かというと、そうではありません。
確定申告が不要となる場合もあります。
その人の年収、扶養家族かどうかなどによって条件が変わってくるのでそれぞれについて解説していきます。
年収2,000万円以下の給与所得者
年収2,000万円以下の給与所得の場合、FXなどの給与以外の所得が20万円以下の場合は確定申告は不要となります。
専業主婦や学生などの扶養家族
FXなどの所得が38万円以下の場合は、確定申告は不要となります。
以上を図でまとめると次のようになります。

確定申告が不要になる条件についてお伝えしましたが、実はFXで損失が出た場合にも確定しておいた方が良いというケースがあるのです。
それでは、次のそのケースについて見ていきましょう。
FXで損失が出た場合も確定申告をしておいた方がいい理由とは
FXで年間の収支が損失となった場合は基本的には確定申告は不要です。
しかし、損失となった場合でも確定申告を行った方が有利となるケースがあります。
それは「繰越控除」という手続きです。
【節税ポイント】繰越控除とは
FXの取引によって損失を出した場合、その損失額を翌年以降3年間に渡って所得の金額から「繰越控除」を行うことができます。
図で示すとこのような感じです。

例えば、初年度のX年に100万円の損失を出したとします。
本来であれば課税対象額は0円なので確定申告の必要はありませんが、繰越控除のための確定申告を行います。
その翌年は20万円の利益を得ることができました(利益が20万円を超えていませんので、まだ確定申告の必要はありません)。
この年は、前年から100万円の損失が繰り越されてきていますので、翌年に繰り越すことのできる損失は80万円となります。
なので、80万円の損失を繰り越すための確定申告を行います。
さらにその翌年には50万円の利益をえることができました。
この場合、本来であれば利益が20万円を超えているので、確定申告をしてその分の税金を納めなければなりません。
しかし、前年から80万円の損失が繰り越されてきているので、利益の50万円は繰越損失額と相殺され、課税対象額は0円となります。
そのため、この年に収めるべき税金の金額は0円となります。
まだ、30万円の損失額が残っているので、確定申告で損失額を翌年に繰り越します。
するとその翌年は80万円の利益を出すことができました。
本来であれば80万円に対して税金が課されるところですが、30万円の損失が繰り越されてきているので、80万円から30万円を差し引いた50万円が課税対象額となります。
以上が、繰越控除の説明となります。
それでは、最後に確定申告書の作成についての解説です。
国税庁のホームページなら、簡単に確定申告書を作成できる!
確定申告書の作成というと難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、国税庁のホームページ内にある「確定申告書作成コーナー」を利用すればガイダンスに従って必要な項目を入力するだけで簡単に申告書を作成することができます。
申告書がさくせいできたら、あとはそれをプリントアウトし、マイナンバー書類のコピーなどの添付書類と一緒に郵送することで確定申告の手続きは終了です。
まとめ
この記事では次のことを学びました。
- FX取引で得られる「為替差益」や「スワップポイント」などの利益は所得税法上の「雑所得」に分類される
- FXの場合の「雑所得」は「申告分離課税」の対象となり、個人での確定申告をして納税しなければならない
- FXの課税対象は利益ではなく、利益から必要経費を差し引いた「所得」が課税対象となる
- 複数のFX業者の損益を合算できる「損益通算」という制度がある
- 確定申告が不要になるパターンもある
- 繰越控除を行うことで損失となった年の翌年以降の節税ができる
- 国税庁のホームページで簡単に確定申告書を作成できる
- この記事は2021年4月1日現在の法令その他の情報に基づき作成されていますが、今後の改正等により、取り扱いが異なる場合があります。
- 金融商品の取引や税務申告等の結果、税務以外に、社会保障制度における取り扱いに影響が生じ、負担が増加する場合があります。詳細は、市区町村等にお問い合わせください。
- この記事の説明にかかわらず、お客さまの個別の状況に応じて取り扱いが異なる場合があります。個別具体的なケースにかかる税務上の取り扱い等につきましては、税理士・税務署等にご相談ください。
以上、皆さんの参考となればうれしいです。
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それでは~!
